飯島天太 公式ブログ

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デリバリー方式の中学校給食には懐疑的です。

市民の方々のお話をお聞きしていると、中学校給食に対する関心が高いようです。
私個人の見解を述べさせていただきますと、私は以前タウンニュースさんの取材にお答えさせて頂いたとおり、デリバリー式の給食に対しては懐疑的です。

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私が中学生の頃(今から14年前、2009年頃)は弁当を家から持参する、もしくは学校で業者の方に朝お金を払って昼に受け取る、いわゆる『買い弁』システムが既に存在していました。

ですから私はいわゆる『ハマ弁』を食べた事が無いのですが、正直ハマ弁に対しても『買い弁と対して変わらないな…』と思っていました。

給食の方式についてはデリバリー式の他にも

 

■自校調理方式…学校の給食室で給食を作る方式

■親子方式…一つの学校の給食室で複数の学校の給食を作り、それを配送する方式

■センター方式…給食センターで給食を作り、各校に配送する方式

 

この3種類が存在するようですが、私は学校給食はデリバリー式方式以外の方法で実施するべきだと考えています。

なぜなら私は、給食の配膳を生徒自身がやることに対して意味があると考えているからです。

 

 

給食の配膳を生徒自身がやることに対しての意味

 

中学生は小学生よりも身体が大きくなり、必要とするカロリー量も大幅に増えます。
そして中学からは部活も始まることから、運動部、文化部、帰宅部では一人一人がそれぞれ必要とする食事量も自ずと変わってきます。
一概には言うことはできませんが、男女差や体格による差、その日の体調によって食欲の有無などもあります。

 

また、家庭の事情などで給食が文字通り生命線になりかねない子供達も、決して少なくありません。 デリバリー方式では基本的に『一人分の量』が固定ですが、その他の方式であれば一人分の量を個々人が変える事ができます。

もし給食が余ってしまったら、食べ足りない子供がお代わりをすることもできます。

 

 

私自身の中学校時代の経験から

 

少なくとも私は小学校時代、給食を満足がいくまでお腹いっぱい食べてきたので、中学に上がってから給食が無いということに絶望した記憶があります。

(小学生の時は給食のチリコンカーンと五目ビーンズが好物でした)

中学校に上がって弁当持参になってから、毎日5, 6時限目の終わりにはお腹を空かせていた記憶があります。

文化部所属の私でさえもそうでしたから、特に運動部に所属していた子達の空腹は相当なものだったと思います。

 

また私の家は母子家庭だったため母は仕事が忙しく、初めの頃こそ私がいじめられないようにと手作りの弁当を作ってくれていました。

しかし段々と仕事と家事の両立で負担が大きくなり、それが悪いというわけではありませんが、冷凍食品の詰め合わせ、最終的には弁当代わりに菓子パンを持っていくこともあったり、私が自分で作ったり、買い弁を買ったりするようになりました。

私の住んでいた地域は当時、PTAや先生方に『子供に冷凍食品やカップ麺を食べさせるなんて虐待だ!』というような思想を持たれていた方が多く、それが原因で母も相当心労が溜まっていたようですから、私は中学校にも小学校と同じように給食があれば良いのに…と子供の頃からずっと思っていました。

 

 

食中毒の危険性

 

弁当の持参は食中毒の危険性との戦いでもあります。

特に夏場に猛暑日が増えた近年では、家から持参し、鞄の中に入れっぱなしの弁当は食中毒菌が繁殖しやすい温度に保たれています。
もちろん給食でも集団食中毒などの危険はありますが、食材由来の事故は防ぎづらくとも、調理工程においては衛生管理が徹底されていることから、事故リスクは低いと考えています。

 

また、『一人前ずつのデリバリー方式であれば集団食中毒のリスクは低い』と主張している方もいらっしゃいますが、全員が基本的に同じ食材を利用している以上、食材由来の事故リスクが他の方式と比べて極端に低いとは言い難いですし、衛生面においても他の方式と比較して大きく変わることは無いと考えます。

 

 

まとめ

 

以上の理由から、私はデリバリー方式での中学校給食に対しては『デリバリー方式でなくてはならない理由が見当たらない』という理由で懐疑的ですし、横浜市金沢区の『金沢産業振興センター』を解体して新規にデリバリー方式の給食工場の建設を検討しているという点にも不審があります。

横浜市の中学校給食 工場用地候補に金沢産業振興センター(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース

 

 

その他気になる点

 

一部の現職の議員や候補者、および一部政党からは

『まずはデリバリー方式から始めて、徐々に自校調理方式に変えていく』

といった意見がありますが、そのデリバリー方式のために新規に工場を建設してしまったら、自校調理方式への以降へ一体何十年かかるのか?というところが不明です。

少なくとも新規に工場を建設するとなれば、建物や機材、人件費等々を考慮すると、初期コストとして何十億、何百億円という額がかかるはずです。

業者にそれだけの出費を強いておきながら、自校調理方式に目処がついたから一方的に早期に契約を打ち切るということはできないと思います。

 

そして『自校調理方式』だけを主張しているというのも、建設費、維持運営にかかる費用、人員をどこから調達するのか、などといった観点から、全ての学校に給食室を作るのは困難を極めると思いますし、自校調理方式だけにこだわらず、親子方式や給食センターなどと並行して進めていくのが現実的であると私は考えています。

 

また私は中学校だけではなく、市内の公立高校にも給食があって良いのではないかと考えています。

地域の近隣の小学校、中学校、高校で纏めて同じメニューで大量に調理できれば、調理にかかる光熱費や人件費、食材の購入費、施設の維持管理にかかる費用は大きく削減できるものと考えています。

しかし、高校への給食の導入に関してはまだ議論の余地があると思いますので、今後の課題とさせていただきます。